ここでは、一般的な薬の飲ませ方についてお話します。なかなか飲んでくれないで苦労なさっている場合は、小児科Q&Aの「薬をどうしてもいやがるときはどうしたらいいの」をご覧下さい。
薬の量はきちんと守らないとダメ?: 処方された薬は、指示通りに飲むことが大切です。我々が薬を処方するときは、体重・年齢などから必要な薬の量を計算し、それを薬の作用時間に応じて、1日2〜3回に分けて飲むように処方しています。また多くの薬はきめられた量をきめられた回数飲んではじめて効果が期待できるものです。半分飲んだら半分効くというわけでなく、有効血中濃度に達しない場合は、全然効ききませんので、注意して下さい。
薬を飲む時間は?:大人の場合は、食後30分服用の指示の薬がほとんどですが、子どもの場合は、必ずしも食後でなくてもかまいません。むしろ食後はおなかがいっぱいで薬を飲んでくれない場合があります。逆に食前の指示があっても忘れてしまった場合などは、食後にあげてもかまいません。また、寝てしまった時などは、起きてからあげてももちろんOKです。
処方された薬を飲めないとき:お薬の好みがあらかじめわかっている時には、薬を出す前に教えて下さい。せっかくもらった薬でも飲めなければ何にもなりません。また、もらった薬が飲めない時には、剤形を変えたり、味を変えたりという工夫をしますので、遠慮せずに教えてください。シロップも粉もダメという時には、上手に飲ませる工夫が必要となります。あれもこれも全くダメという時には、困ってしまいますが、そんなときは一度、薬をどうしてもいやがるときはどうしたらいいのをご覧下さい。
くすりで具合が悪くなったことがあるときは:今まで薬を飲んで具合が悪くなったり、発疹がでたりしたことがある場合は、必ずそのことをお話ください。またそんなことがあったときは、具体的な薬の名前を教えてもらい、正確に書き留めておきましょう。この場合、あいまいな情報では役に立ちません。
他の医療機関からも薬をもらっているとき:複数の医療機関を同時に受診している場合(小児科と耳鼻科など)には、薬の重複をさけるため具体的な薬の名前を教えてもらうようにして下さい。錠剤と違い、シロップや粉の薬は持参してもらっても、わからないことがほとんどです。また、市販のくすりとの併用は絶対にやめましょう。百害あって一利なりです。
一回分をはじめに分けて:ときどき数回分を一度に服用してしまったり、全部こぼしてしまったというケースを経験します。量を間違えると危険な薬もありますので、シロップの容器から直接あげることはやめましょう。1回分をちゃんと別の容器に移し、量を確認してからあげるようにして下さい。
薬はどのくらいもつの:シロップはどのくらい保つかは混ぜられた薬によっても違いますので、一律にどのくらいということはできません。一般に何種類かの薬が配合してある場合が多く、徐々にですが薬の効き目が弱くなって行きますので、10日以上たったものは使わない方が無難です。一方、座薬は形がかわらない限り、1年位たったものでも大丈夫です(但し、体重が重くなると効き目は弱くなります)。粉薬もしめったりしなければかなり長期間保存可能です。それでも半年くらいを一応の目安と考えて下さい。