病院でのどを見てもらうとき舌を出す方がいらっしゃいますが・・・ |
「二日酔い」って「迎え酒」で良くなりますか? |
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喉(咽頭や扁桃)の観察は、風邪をはじめとする急性上気道感染症の診断には不可欠の診療項目ですが、この喉の診察が苦手の方がたまにいらっしゃいます。元々反射が強く、舌圧子を見るだけで嘔吐反射が起こってしまう人もいるくらいですが、時々舌を出して診察に協力しようとしてくださる方がいらっしゃいます。とてもありがたいのですが、実はこの舌を出す行為は、喉の診察をしづらくしてしまうのです。喉を良く観察するためには舌の付け根(舌根部と言います)が下に下がっていた方が良いわけで、舌圧子はそのために使うのですが、舌を出すとこの舌根部が持ち上がってしまう上に、舌圧子で押さえても下がりにくくなってしまいます。従ってこの行為は診療の邪魔にはなっても助けにはなりません。喉の観察時には、舌は出さずに普通のままで、口を大きく開け、力を入れずに、「あーーー」と声を出していただくのが一番です。「えーーー」と声を出すのは口が横に広がりますが上下には狭くなり、さらに舌根部が持ち上がりますので、逆効果です。喉の変化で、診断が確定する病気はたくさんあります。正しい診断のために大切な診療行為なので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。 |