「予防注射の後はよくもんだほうが良いの??」 |
予防接種の後、よくもんだ方が良いのでしょうか? |
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静脈注射の時にもむ事はないと思いますが、筋肉注射や皮下注射の後は、慣例としてもむことが多いと思います。予防注射の後もよくもんだ方が良いのでしょうか。 注射には筋肉注射と皮下注射があり、それぞれの場合で少々意味合いが違いますが、いずれの場合も、もむことにより薬液の吸収速度が早まり、局所の疼痛・発赤・硬結を減少させる効果が期待されます。 では、予防注射(皮下注射)の場合は、どうすれば良いのでしょうか。麻疹や風疹等の生ワクチンは体内がウイルスが増殖して免疫が成立するものであり吸収を急ぐ理由はありません。一方、三種混合や日本脳炎等の不活化ワクチンでも、マッサージをしないと免疫反応が悪い訳ではなく、薬液が注射針の刺入口からもれない程度に4〜5回軽くもんでおけば十分です。むしろアナフィラキシー様反応などが起こる場合には、吸収が遅いほうが有利ですので、強くもまない方が良いと言えます。文献的にも、植田らは松吉らの第29回日本小児保健学会の「沈降DPTワクチンを接種した643例では、接種部位をもまなかった群が、もんだ群より局所反応はやや低率」という報告を再検討したところ、「沈降DPTワクチンを接種後5分程度よくもんだ452例の局所反応は3.1%,もまなかった610例では3.0%で、もみかたは局所反応に関係ない」と結論しています。 |