「熱さましでひきつけを防ぐ??」


Q

熱性けいれんを起こしやすい場合、熱冷ましを使ってけいれんを防げるでしょうか?

A

 熱性けいれんを起こした事のあるお子さんを外来で診察した際に、「けいれんを起こすと大変なので早めに熱冷ましを使ってきました」とお話になるお母さんがいらっしゃいますが、これはちょっと違います。熱冷ましを使うことで熱が出なければけいれんを起こさないとお考えなのでしょうが、熱冷ましには病気を治す力はなく、単に一定時間、熱を下げているだけですので、高熱の出る病気の場合には、熱冷ましの効果が切れる時間になると再び急激に発熱が出現し、その時に熱性けいれんを起こしてしまう可能性があります。けいれんの予防のためには「ダイアップ」というけいれん止めのお薬を熱冷ましの前に使ってあげなければなりません。このけいれん止めも熱が続く期間ずっと使うのではなく、最初に使った時間から8時間以上経っても熱が続いているときにはもう1回使ってあげることでけいれんを予防できます(合計2回使用)。なお、けいれん止めの坐薬と熱冷ましの坐薬を同時に使いたい状況の時には、けいれん止めの坐薬を先に使い、30分以上たってから熱冷ましの坐薬を使って下さい。熱冷ましの座薬の方を先に使うと、けいれん止めの坐薬の効果が落ちてしまいます(熱冷ましの座薬に含まれている油性成分により、けいれん止めの吸収が阻害されるため)ので。