「麻疹ワクチンを受けたので、麻疹にならない??」


Q

麻疹ワクチンを受けていれば、絶対麻疹にかからないでしょうか?

A

 麻疹ワクチンは生ワクチンですので非常に効果がありますが、ワクチンを受けてから何年も経過すると、ワクチン接種で獲得した免疫が次第に弱くなって、麻疹にかかることがあります。ワクチンの接種が広く行われた結果、麻疹の発生が減っている現在、幼児期に受けた麻疹ワクチンの効果が、中学〜高校生ぐらいになると、ブースター効果(ワクチンの免疫効果が残っている間に、野生の麻疹ウイルスに遭遇する事で麻疹に発症せずに追加免疫効果が得られる事)が期待できないために、麻疹にかかってしまう事があります。但し、免疫効果が多少なりとも残っている場合には、修飾麻疹と言って、典型的な麻疹より軽くすむ事が知られています。実は、私の所属しております安達医師会管内でも最近、近くの高等学校で麻疹の集団発生がみられ、麻疹の予防接種を受けている生徒さんが何人も麻疹に罹患した事例が見られています。ワクチンの効果が終生持続するとは言えない事から、最近では複数回の麻疹ワクチンの実施が検討されています(欧米では麻疹はMMRワクチンとして2回接種されています)。
注:H18年から麻疹、風疹ともに2回接種となりました。