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 かぜは、そのほとんどが病原微生物の呼吸器への感染でおこる病気ですが、原因の種類に関係なく、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどの痛み・咳・痰などに加え、発熱・頭痛・全身倦怠感・食欲不振などの全身症状(時に、嘔吐や下痢などの胃腸症状)を伴うと言う点では共通しているので、一括してかぜ症候群(色々な原因でいくつかの症状が集まり、ある特徴的な病像が作られるものを症候群と呼びます)と取り扱われます。

症候群とは:いくつかの徴候や症状がまとまって同時に、または相前後して連続的に現れる場合、そしてそれによって「特徴あるある病像」が形成される際に使用される呼称。語源的にはrunning togetherを意味し、concurrenceに該当されるものとされるが、医学では、「病状の集合」、すなわち疾患(disease)の経過に伴った徴候(sign)や症状(synptom)の集合を意味し、疾患の病状を構成するものとされている。 (日本臨床 広範囲 症候群辞典より)

かぜ症候群は、日常診療の場では最もありふれた疾患(年間一人あたりの平均罹患回数は5〜6回と言われています)であるためでしょうか、万病の元といわれながらも軽く見られがちです。しかしこじらすと不愉快な症状が続くだけでなく、二次的に気管支炎や肺炎などを起こし、時に重篤な状態になることもよく知られています。特に乳幼児や老人、種々の慢性疾患をお持ちの方は注意が必要です。

かぜ症候群と言った場合、普通感冒のみを言う場合とインフルエンザを含める場合がありますが、ここではインフルエンザを含めた広い意味でのかぜ症候群について取り上げてみたいと思います。