■血糖、血圧コントロールによる変化:糖尿病の患者さん5100人を過去10年間のヘモグロビンA1cの平均が7.0のグループと7.9のグループに分けて10年間追跡調査をして比較すると、7.0のグループでは、糖尿病関連の死亡が25%減少するほか細小血管症の発生が35%、心筋梗塞の発生は18%、脳卒中の発生は15%減少します。さらに、血圧について、収縮期血圧が150以上と130以下のグループに分けて比較すると、130以下のグループでは糖尿病関連死が38%、細小血管症の発生が37%、心筋梗塞の発生が21%、脳卒中の発生が44%、いずれも大幅に減少します。つまり、血糖値や血圧をコントロールすると合併症や糖尿病関連死の発生がかなり減らせることがわかりました。
■低血糖について 血液中の糖の濃度(血糖値)が70mg/dl以下になると、動悸がする、手がふるえる、眼がチカチカする、冷や汗をかくなどの症状があらわれ、そのまま放置して進行すると意識障害に陥る事があります。このような状態を低血糖と言います。低血糖を防ぐためには、低血糖の症状についてよく理解(症状には個人差がありますので、いつもと違う時には低血糖ではないかと考えてみることが大切)しておくことが必要です。そして低血糖の症状が起こった時には、砂糖やジュースのような甘いものやブドウ糖をすぐにとって血糖を上げるようにします。さらに主治医にそのことを報告して、原因を追求して、繰り返さない様に対策を講じなければなりません。
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