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高血圧は多くの場合、特別な症状がないままに経過し、やがて血管・心臓、腎臓などの臓器に障害を与え、命に関わるような合併症を引き起こすためサイレントキラーと呼ばれています。ここでは、どうして高血圧を放置して置いてはいけないのかを説明します。

高血圧の合併症高血圧症が危険なのはこの合併症(臓器障害)が徐々に進行するからです。
 高血圧ははじめから色々な合併症を引き起こすわけではありません。10年、15年と血圧が高いまま放置しておくと、血管はその圧力により壁が厚く、固くなり、弾力性が失われてもろく、血管がやぶれたり、傷つきやすくなります。さらに、傷ついたところから血管の壁にコレステロールが沈着して血管の内腔がせまくなります(動脈硬化)。最終的には血管がつまり種々の疾患が引き起こされます。
血管がつまって起こる疾患
閉塞性動脈硬化症 動脈がつまったりつまりかけて引き起こされる疾患です。
狭心症・心筋梗塞 心臓の筋肉を養っている冠状動脈がつまりかけるのが狭心症で、完全につまって心筋が壊死に陥ってしまうのが心筋梗塞です。
脳梗塞 脳の血管がつまるとその血管で酸素の供給を受けている脳の一部が死んでしまいます。障害を受けた場所により症状が異なります。
血管が破れて起こる疾患
解離性大動脈瘤 血管の壁に亀裂が出来、壁を裂くように血液が流れ込む疾患です。
脳出血 脳の血管が破れて起こるのが脳出血です。脳梗塞と同じくどの血管が破れるかで症状が異なります。
クモ膜下出血 脳動脈に出来た瘤が破裂してクモ膜下腔に出血する疾患です。
その他の疾患
大動脈瘤 血管が膨れてこぶをつくる疾患です。胸部大動脈・腹部大動脈など色々な所にこぶを作ります。こぶが破れれば生命が危機にさらされます。
腎硬化症 腎臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓へ流れる血液の量が減ることによって腎臓の機能が低下してくる疾患です。
高血圧性脳症 血圧が高いために脳がむくみ頭痛・吐き気・意識障害などの見られる疾患です。
心肥大 高い血圧が続くと心臓はより強い力で血液を送り出さないといけなくなります。そのため心臓の筋肉が徐々に厚くなり、心肥大が起こります。またこのような状態が長く続くと次第に心臓の力がなくなり血液を送り出せなくなってきます。この状態を心不全と呼びます。