土川内科小児科ニュース  6月号  No.17 
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  今月のテーマ:新聞記事から

今年ももう6月、梅雨の季節です。そして梅雨が明ければ夏。月日のたつのは本当にあっという間ですね。ところで、健康に関する情報が、最近テレビでも新聞でも増えたように思います。一部の番組には時々反論したくなるような解説もみられますが、医師としての立場から見ても納得できる内容のものがほとんどです。そこで、今回は、新聞からいくつかのトピックスを拾ってみました。
 
乳児向けイオン・果汁メーカー『虫歯に注意を明記(』読売5月24日)
ほ乳瓶虫歯が問題になっているようです。イオン飲料や果汁などの酸性度の強い飲物を寝る前にほ乳瓶で長時間飲ませていると、歯からカルシウムが抜け、表面の硬いエナメル質も溶かしてしまうことがあるため。発熱や下痢などの時には非常に便利な製品ですが、体に良いとの誤解や、大人の食習慣の影響が子供にまで及んでしまった結果なのでしょうか。白湯代わりにイオン飲料を与えることなどが、今問題となっている「ペットボトル症候群」の種を蒔く様なことになっているのかもしれません。


カップめん容器で子種減っちゃう?!(スポニチ 4月26日)
この問題は、カップラーメンやスーパーでの包装用のトレーなどに使われているポリスチレン性の容器に、生殖能力を低下させるなどの内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が含まれており、溶け出すおそれがあるという分析結果が出されたことによるものです。環境ホルモンについては、すでに学校給食用に使われているポリカーボネート製品の中に、食品衛生法の基準を上回る環境ホルモンが見つかり回収騒ぎが起きているほか、ポリカーボネート製のほ乳瓶から環境ホルモンの一種であるビスフェノールAが検出されたと報告されています。ほ乳瓶のメーカーはこれに対して許容基準の1000分の1の量で、安全基準はクリアーしていると発表しています。厚生省でも「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」を開催するなど対策に乗り出しました。しかし、この問題の決着にはもう少し時間がかかりそうです。


医療の主人公はあなた(読売 4月4日)
厚生省が、患者さんが我々ドクターにどんなことを聞いたら良いかを示した「医者にかかる10カ条」(表1参照)を発表しました。実は、この10カ条は「心構え編」で、他に「実践編」というものが存在します。こちらは具体的な質問内容を例示したもので、例えば、@どの様な治療ですか?A治療
表1:医者にかかる10カ条
@伝えたいことはメモして準備
A対話の始まりはあいさつから
Bよりよい関係づくりはあなたにも責任が
C自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
Dこれからの見通しも聞きましょう
Eその後の変化を伝える努力を
F大事なことはメモをとって確認
G納得できないときは何度でも質問を
H医療にも不確実なことや限界がある
I治療方法を決めるのはあなたです
のスケジュールは?Bどのような変化が期待できますか?Cどのような危険がありますか?Dその治療を受けないとどうなりますか?など・・。従来の医療のシステムを大きく変える内容だと思います。病気の中には現在の医療では治せないものもありますので、癌の告知の問題も含め、意見が分かれるところもあるかと思います。基本的に私はこのシステムを支持したいと考えております。また、アメリカなどでは従来からこのようなシステムでの医療が展開されています。しかし、国民性、従来の医療の流れにうまくとけ込むかどうかなどの問題もありますので、定着するまでには、かなりの時間がかかる問題であると思います。


インフルエンザ予防接種 自己負担を見直し (読売 昨年11月26日と今年5月23日)
インフルエンザは毎年冬になるとワクチンの有効性が話題にのぼります。日本は特にインフルエンザ予防接種の摂取率が低く、1994年の調査で、アメリカが17%、スペインが17%、イタリアが14%に対して、日本は0.2%でした。一方WHOのインフルエンザ・呼吸器ウイルス協力センターの調べによると国内で毎年六千人以上がインフルエンザが引き金で様々な病気を併発してなくなっています。しかし、現行の制度では、インフルエンザの予防接種を受けるのに約1万円(2回分)かかりますから、受けたくても受けられないのが実情でしょう。これに対して、厚生省はインフルエンザ接種希望者への公費負担を検討する事を発表し、来年度の通常国会に改正法案を提出する予定です。この法案が成立すれば、受けたい人は公費で受けられるようになりますので、歓迎すべき改正かと考えます。

パソコン普及率35%(読売5月26日)
 パソコンといえばインターネット。当院の待合室にもインターネットが体験できるパソコンを一台試験的に設置しました。なかなかの人気で、当院のホームページに設置してあるゲストブックに書き込んで下さったおかあさんもいらっしゃいました。皆さんも良かったら、是非一度使って見て下さい。さらに、インターネットには、医療情報に限らず、ありとあらゆる事に関する情報が豊富にあります。むしろありすぎる情報をどのように選択し、生活の役に立てていくかが問われるようになりました。ただ、パソコン・インターネットと言っても電話やファックス・テレビの様にはいきません。ある程度の勉強が必要です。我が安達医師会でも来年の2月までに合計10回(約30時間)の勉強会を現在実施中です。パソコンの勉強には近くにいるパソコン好きを利用するのが一番!皆さんもがんばって下さい。

最後に
 最近は、新聞に限らずテレビ・雑誌でも健康や病気に関する情報が流されない日はないくらいです。情報化社会へ向かっております今、私たちには情報に踊らされることなく、情報を上手に利用するすべを身につけることが要求されています。こと医療に関する情報についてでしたら、是非そのお手伝いをさせて頂きたいと思いますのでご遠慮なくご利用下さい。


デリオ6月号 臨時増刊で当院のHPが!
遊び・暮らし・仕事に役立つ最新定番ホームページBEST1000 
もっと手軽にインターネット  ホームページガイドVol1.1というタイトルがついていますので、インターネットHPの特集号です。当院のHPの記事ですが、P33に 「とりあえずブックマーク! SOSリンク集」のコーナーに、「ネット上の夜間急病センター」 というサブタイトル付きで紹介されております。

土川内科小児科  http://www.nms.co.jp/
とつぜん体調を崩したり、子供が休日に熱を出したり、急な病気にはほとほと困ってしまう。福島県二本松市の「土川内科小児科」のサイトでは、そんなときのアドバイスが豊富に提供されている。「医学常識のウソ?ホント?」コーナーでは、「汗をかくと熱が下がる?」「注射の方がよく効く?」といった「常識」がやさしく解説されている。「風邪のときにお風呂はダメ」といわれるが、かぜ気味でも熱がなく元気であれば、短時間の入浴は新陳代謝を高め、さっぱりしてぐっすり眠れるなどの効果があるそうだ。また、「小児科の部屋」のコーナーでは、病気に対するQ&Aのほか、ホームケアーや予防接種などの役立つ情報がいっぱいだ。「受診時に持参するもの」として、保険証や母子手帳のほか、体温のメモや便のサンプル、哺乳びんやお気に入りのおもちゃなどが挙げられているのは、細かい配慮が感じられる(ただし、これらはあくまでも参考意見に過ぎず、個人差が強調されているのはいうまでもない)。


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