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アルコールは、主に(80%)アルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解され、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解され、酢酸は炭酸ガスと水に分解され、最終的には尿や呼気によって体外に排泄されます。アセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド分解酵素(ALDH)には4つの種類がありますが、そのなかで一番主要な働きをしているのがALDH2です。このALDH2には、酵素活性の強いALDH2-1と活性の弱いALDH2-2の2つのサブタイプがあります。両親からこのALDH2のどれか一つずつもらいますので、どの組み合わせで持っているかによりお酒に強い・弱いが決まります。ALDH2-1を2つ持っている人はお酒に強い人(45%)、ALDH2-2を2つの人が全く飲めない人(10%)、ALDH2-1とALDH2-2を1つずつ持っている人(45%)は飲めないわけではありませんが、あまり強くない人と言うことになります。この酵素だけで強い弱いが決まってしまえば、お酒に強くなるという事はあり得ないのですが、アルコールの代謝には、もう一つミクロゾームエタノール酸化系という代謝経路があり、お酒を飲み続けるとこの代謝能力が向上します。しかし、この経路が関与するのはアルコール代謝の20%ですので、いくら訓練してもお酒の弱い人が酒豪になることはないでしょう。 |