「食べてすぐ横になると牛になる？」

「食べてすぐ横になると牛になる」とよく言われますが・・・

　これは、もちろん本当に牛になるわけではなく、お行儀の悪さをたしなめたものででしょう。ところで、食べてすぐに横になることは、本当に悪いことなのでしょうか。食後すぐに動き出す事は、筋肉に血流を取られますから、胃腸や肝臓に取っては負担が多くなるために好ましくありません。食後安静にしていることは、むしろ進められることです。ただ、本当に横になる事は、場合によっては（食道裂孔ヘルニアのある場合など）、逆流性食道炎の原因となるために、避けた方が良いでしょう。「昔の人は良いことを言った」とよく言われますが、この場合もそれが当てはまる良い例でしょう。　

• 食道裂孔ヘルニアとは：食道と胃の境界が食道の方にずれてしまうことで、高齢になるに従い増えてきます。無症状の事が多いのですが、逆流性食道炎を起こす頻度が高く、胸焼けなどの症状がみられます。
• 逆流性食道炎とは：胃酸により食道の粘膜がただれてしまう疾患です。食道裂孔ヘルニアのある場合には、食後上半身を起こしておくことが予防対策として大切なことです。