インフルエンザ

インフルエンザとは:インフルエンザウイルスによって引き起こされる病気です。イン フルエンザウイルスにはA型(A香港、Aソ連など)・B型・C型の3つのタイプがありますが、流行するのはA型とB型です。その年により流行する型が違い、また同じ型でも毎年微妙に変化しますので、ワクチンの効果が期待しにくいと言われています。
疫学:人から人に、直接の接触と空気感染により伝搬します。感染力が強く、家中みんなでかかることが少なくありません。潜伏期は1〜3日。
症状:普通の風邪に比べて症状が重く、寒気を伴った39度以上の高熱が3〜5日続き、鼻水・咳などの症状に加え、筋肉痛・関節痛、嘔吐・下痢などの胃腸症状を伴うことが多いのが特徴です。
診断:平成11年から簡単な検査でインフルエンザかどうかを正確に診断することが可能となりました。さらに、平成13年からは、A型ンフルエンザとB型インフルエンザを区別して診断することができるようになりました。
合併症:細菌の二次感染による中耳炎・気管支炎・肺炎など。
治療:これまでは、対症療法(症状をやわらげる治療)と二次感染を予防する治療(抗生物質の投与など)が行われてきましたが、1998年からアマンタジンという抗ウイルス薬がA型インフルエンザに対して使うことができるようになりました。さらに、2000年には、ノイラミニダーゼ阻害剤(リレンンザ、タミフル)が登場し、インフルエンザはA型でもB型でも早期に診断してこれらの薬剤を使用すれば、簡単に治すことができるようになりました。ただしこれらの薬剤は発症初期から使用しなければ効果が期待できませんので、インフルエンザかな?と思ったときには、お早めに医療機関を受診してください。
予防接種:インフルエンザの場合、毎年その年の流行の型を予測し、それに基づいてワクチンを作ります。最近は予測の精度も向上し、ワクチンの質も良くなってきていますので、根本的な治療法がない以上、予防接種を受けておくのもいいのではないかと思います。しかし、同じ型でも微妙に変化しているために、予防接種を受けたからインフルエンザにかからないとは言えませんが、種々のデーターからは、重症化は防ぐことができるようです。
家庭で気をつけること:無理をしない(させない)で、休養を十分とることが大切です。二次感染の危険はふつうの風邪の時より高率ですので、完全に良くなるまできちんと治療を受けましょう。 

外来でよく見る感染症にもどる小児科の部屋にもどるホームページにもどる