熱がでた

 お子さんが熱を出すと、お母さん・お父さんは大変。赤ちゃんよりまわりの方が大騒ぎ、ということも少なくないようです。そこで、熱が出たときにどうすればいいか、また、知っていると役に立つ熱についての一般的な医学知識についてもご説明します。(もどる)


あれ、熱かなとおもったら:まず熱を計って下さい。人間の感覚は意外にあてになりません。「熱があったみたい」と「○○度ありました」では情報として段違い。熱を計られるのをいやがるお子さんも少なくありませんが大切な情報ですので、必ず体温計で熱を計って下さい。

熱のはかり方はどうすればいいの:脇の下の汗を拭いて、体温計の先をしっかりと脇の下にはさみましょう。体温計は水銀計が一番正確ですが、時間がかかります。電子体温計は大部分が予測式のため、多少高く出たり低くでたりしますが、1分間位で計れるので便利です。どちらでも結構ですからお家に1個は用意しておきましょうね。

平熱ってなぁに:元気な時の体温を平熱といいますが、体温は一日中同じではありません。朝は低めで夕方から夜にかけては高くなります。1日4回(朝・昼・夕方・寝る前)食事前の安静な状態で体温を測り、各時間帯での大体の平熱を知っておくと便利です。平熱より1度以上高ければ熱があると考えてよいでしょう。

病気以外でも熱がでるの?:運動後・食事後などは体温が高くなります。また、厚着や暖房、水分不足、疲れや興奮などが原因で発熱がみられることがあります。食欲はあるか、機嫌はいいか、よく寝れるか、顔色や泣き方はいつも通りか、咳・鼻水・下痢などの症状があるかなどを参考にし、変だなと思ったときには、診療時間内に受診するように心がけてください。小さければ小さいほど早め早めを心がけて下さい。

熱が高いと脳がやられる?:これもよく聞かれることですが、40度ぐらいの熱が出ても、脳がやられることはありません。これは、髄膜炎や脳炎の時に高熱が出ることから言われはじめたのでしょうか。

熱さましは使ったほうがいいの?:熱さましは熱によるつらさを一時的に軽くするためのお薬で、病気を治す薬ではありませんので、熱さましを使っても病気が早く治るわけではありません。熱さましの種類によっても違いますが、効いている時間は4〜6時間ですので、高熱の出る病気では一時熱が下がってもまたあがります。熱さましの上手な使い方は次のようなことです。また、座薬でも飲み薬でも種類と量が同じであれば効き目は同じです。座薬の方が強いということはありませんし、両者を同時に使ってはいけません。

  1. 38.5度以上でつらそうにしていたら、熱が上がりきったところで使う。
  2. 高熱でも、元気があるときには、使わずに様子を見る。
  3. 熱さましは使っても1日2回まで。続けて使うときは、最低6〜8時間は間をあける。

悪寒・戦慄って:ちょっと難しい言葉ですが、知っているとあわてないですみます。これは、熱が出る前に寒気がしてガタガタ震えている状態をいいます。寒気が「悪寒」で、ガタガタふるえることが「戦慄」です。通常39.5度以上の高熱が出るときに見られる症状です。寒がっているときには唇の色も悪くなり、けいれんと間違えることもあります。このようなときには、湯たんぽ・毛布などで身体を暖めて上げて下さい。30〜60分もすると今度はふうふう言って暑がるようになりますので、今度は冷やしてあげてください。

水枕って使った方がいいの?:水枕を使っても体中の高い熱はさがりません。単に気持ちがいいから使うだけです。お子さんがいやがるようならば使う必要はありません。熱を下げる目的なら、ぬるま湯でしぼったタオルで身体を拭く方が効果があります。

家庭で気をつけること:水分は欲しがるだけ上げましょう。熱が高いときは、はく息や汗からも水分が失われます。飲ませる物は、子供用のイオン飲料・湯ざまし・番茶などなんでもかまいません。着せる物は季節・室温により違いますが、同じ部屋にいる大人と同じか1枚少ないくらいの薄着がちょうどです。夏でしたらクーラーを使って、室温を25度前後にして上げましょう。もちろん直接風をあててはいけません。次のような時には急いで医療機関を受診して下さい。

  1. ぐったりしていて、意識がはっきりしない。
  2. 嘔吐がはげしい。
  3. 鼻をピクピクさせ、呼吸がはやく苦しそう。

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