下痢
下痢も日常よく経験する症状です。下痢の治療で大切なのは、お薬よりも家庭でのケアーです。いくつかのポイントがありますので、是非、この機会に下痢をしたときの対応について、マスターして下さい。(もどる)
下痢について:下痢は、ウイルス性胃腸炎や細菌性腸炎などの時に見られる症状で、食べたものが腸で十分吸収されずに出てしまう状態を言います。便の色からもいろいろなことがわかります。ロタウイルスが原因の冬に多い下痢症では、白い便が特徴。また細菌性腸炎では、血液がまじることがあります。O157による下痢では、血液そのものといった赤ワインの様な便が見られると言われています。下痢の時には便をよく観察し、血便が出たときや便の様子が変なときには便を持参して下さい。
下痢の時の食べ物(乳児)下痢の時の食べ物(乳児):何を食べるかは便と相談して決めます。
- 母乳をあげている場合:そのまま続けてかまいませんが、下痢のひどい時は、授乳を短時間で切り上げて、その分回数を多くしてください。
- ミルクをあげている場合:ミルクをできるだけ(できれば1/2)薄めて下さい。あまり薄くすると味が変わってしまい飲んでくれなくなりますので要注意。下痢が良くなってきたら、1/2→2/3→ふつう、と濃くしていきます。乳糖をふくまない下痢治療乳(ラクトレス・ソーヤミル・ボンラクトなど)を使っても、もちろんOKですが、下痢が2週間以上も続いている様な場合でなければ、そこまでしなくても大丈夫と考えます。
- 離乳食を食べていた子の場合:下痢のひどいときは、アクアライトなどのイオン飲料・番茶・野菜スープ・味噌汁のうわずみ・リンゴのすりおろしなどを与えます。いままであげたことのないものは避けて、離乳の段階を1つ前にもどすのが無難です。下痢がよくなってきたら、豆腐・パン粥・おかゆ・うどん・白身魚などを便の様子をみながら慎重に加えていって下さい。
下痢の時の避けた方がよい食べ物(これは大人も共通)
- 水のような下痢の時は、アクアライトの様な子供用のイオン飲料・番茶・野菜スープ、味噌汁・おもゆ・リンゴのすりおろしなど水分を中心に。
- ドロドロの便の時は、上記の水分のほかに、豆腐・パン粥・ベビーせんべい・ウエハース・バナナの裏ごし・人参やかぼちゃの煮つぶしなどを。
- やわらかい便の時は、さらにおかゆ・うどん・白身魚の煮付け・卵・鳥のささみ・野菜の煮付けなどまであげても大丈夫でしょう。
- 冷たいもの
- 刺激のつよいもの:コーラー・サイダーなどの清涼飲料水、アイスクリーム、牛乳、コーヒー、アルコール、香辛料など
- 脂肪の多いもの:牛乳、肉、バター、脂身の多い魚、揚げたものなど
- 砂糖分の多いもの:ケーキ、お菓子、アイス、カステラ、ヨーグルト、プリン、ジュース、果物、大人用のイオン飲料など)
スキンケアー:下痢をしているときは、おむつはいつもよりこまめに取り替えて上げましょう。また、おしりは、ふくのではなく、洗面器などにお湯を入れて洗い(座浴)、その後、柔らかいものでそっと押さえるように水分をよくふき取って、乾燥させることが大切です。それでもおしりがただれてきたときは、軟膏をもらって早め、早めのお手入れを心がけてください。
家庭で特に気をつけること:便が多少ゆるめで回数が多くても、食欲があり、機嫌も良いときはあまり心配いりません。下痢でこわいのは脱水症ですから、水分を中心に上手に管理してあげましょう。水分補給が一番大切!水分を多く飲むから水っぽい便になるのではありません。下痢で水分が失われるので水分を飲ませることが必要なのです。水分が十分とれずに、下痢が続くときは点滴が必要になることもありますので、はやめに受診して下さい。
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