便秘

便秘も日常よく遭遇するトラブルですが、ホームケアーで解消できる場合が少なくありせんので、いろいろな対策を知っておきましょう。  (もどる)


便秘って:便の中の水分が少なくなり、硬くなって出にくくなった状態を便秘といいます。便は、毎日出なくてもかまいません。便が2〜3日出ないと便秘ではないかと心配するお母さんもいらっしゃいますが、食欲もあり、元気で、お腹がはって苦しそうな様子もないようでしたら、そのまま様子をみてかまいません。3〜4日に1度でも、ほどよい硬さの便がでる場合は、それがその子の体質と考えてそのまま様子をみて大丈夫です。逆に、毎日、便が出ている場合でも、コロコロ便で量が少なかったり、便が硬くて出すのに苦労したり、そのためにお尻が切れてしまうような場合や、お腹がはって痛がるような場合には、便秘と考えて対策をたてなければなりません。

赤ちゃんの便秘:母乳で育てている場合は、まず母乳の不足による便秘でないかどうかをチェックします。お腹に入る量が減れば出る量も減ります。便の量が減ると出しにくくなりますので、便秘になってしまいます。母乳が不足しているかどうかは体重の増加で、判断します。次に、一般的な赤ちゃんの便秘についてですが、赤ちゃんは母乳から粉ミルクに変えたとき、離乳食を始めたときなどの食事のパターンが変わったときに、便秘になりがちです。そのような時には、次の便秘の時の工夫を参考に様々な方法を試して見て下さい。

便秘の時の工夫(赤ちゃんを中心に)

1)お腹をやさしくさする:おへそを中心に手のひらで時計まわりに「の」の字を書くようにマッサーをします。4〜5分かけてゆっくりとしましょう。腸の動きを活発にして、便がでるよう促す効果が期待できます。

2)水分をたっぷり与えるように心がけます。水分は白湯(さゆ)でも番茶でもなんでもかまいませんが、糖分には便をやわらかくしたり腸の働きを刺激する効果がありますので、果汁・砂糖水・マルツエキスなどが効果的です。マルツエキスは麦芽糖を主成分にあめ状にしたもので、薬局で売っています(医薬品ではないので、医療機関では通常手に入りません)。水でうすめてのませたり、大きい子ならそのままスプーンでなめさせてもOKです。

3)離乳食がすすんでいれば、果物や野菜を加えることが大切。大根やイモ類、わかめなどの海藻類、バナナなどがおすすめです(幼児の便秘をご参照ください)。

4)もうすぐでそうなら、綿棒浣腸を:綿棒にオリーブ油などをつけて肛門に1cmくらい出し入れして刺激します。

5)どうしても出ないときには、いちじく浣腸を:年齢によって種類がちがいますので、薬局で年齢を伝えて手に入れます。浣腸が習慣になるという事はありませんが、何度も浣腸を使わなければならない様な時には、医療機関で便秘の治療薬を処方してもらった方がいいでしょう。
  
便秘の時の食事(幼児編):便秘の時には、繊維分の多い食品を多くする事が大切です。便秘に有効な繊維性食品には次のようなものがあります。

  1. いも類:さつまいも・さといも・こんにゃく
  2. 野菜類:白菜・キャベツ・ピーマン・なす・にら・もやし・きゅうり・ごぼう・人参・大根
  3. 豆類:大豆・小豆・おから・納豆
  4. 穀類:コーンフレーク・ポップコーン・オートミル
  5. 果実類:みかん・オレンジ・あんず・乾燥プラム・パイナップル・メロン
  6. きのこ類:しいたけ・えのき・しめじ
  7. 海藻類:わかめ・こんぶ・のり・寒天・ひじき

家庭で気をつけること:以上のように便秘の時のホームケアーにはいろいろな方法があります。食事の注意は毎日のことですし、好き嫌いの問題もあり、なかなか大変ですが、おかあさんの愛情で便秘が治ったらこんなにすばらしいことはありません。根気強く、がんばって下さい。 


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