嘔吐
下痢と同じく嘔吐も家庭での対処が大切です。「何度も吐くんです」と言って受診する患者さんの中に、吐いては飲ませ、また吐かせというケースが時にみられます。吐いたときの対処法も是非、マスターして下さい。 (もどる)
吐いたらみんな病気?:嘔吐は風邪や胃腸炎の時にみられる症状ですが、赤ちゃんの場合は、胃の入り口をしめる筋肉の発達が未熟ですので、咳やミルクの飲み過ぎでも吐くことがあります。吐いても一度きりで、機嫌が良い場合は心配ないことが多いのですが、何度も吐く場合や下痢を伴っている場合、顔色が悪い場合は、治療が必要です。
嘔吐のケアーのポイントは:繰り返し吐かせないことです。吐き気が強いうちは、胃にものが入るとまた吐いてしまいますので、最低でも1時間、通常2〜3時間は絶飲食にします。吐き気がおさまったようならまずスプーン一杯の水分を与えてみます。30分様子をみて大丈夫なら次は1口(10ccくらい)、また30分様子をみて大丈夫なら今度は2口、と少しずつ与えていきます。途中で、吐いてしまったら、絶飲食からやり直します。このとき、与えて良い水分とは、アクアライトなどの子供用のイオン飲料、番茶、白湯などです。コップ一杯の水分を吐かなくなったら、下痢の時の食事に準じて消化のよいものを少しずつ、与えるようにします。
咳で吐いてしまう:これは、咳のところでも触れましたが、吐き気止めはききません。咳が鎮まるのを待つしかありませんが、咳止めを飲んで、消化の良い食事をいつもより少な目にすることで、せき込んで吐く回数を減らすことができるはずです。
家庭で気をつけること:吐き気の対処法は少量頻回!。これがポイントです。アクアライトのようなイオン飲料を少しずつ与えることを「経口輸液」と言います。普通の点滴は輸液の一種ですから、経口輸液とは口の中に点滴するようなものです。点滴の速度はみなさん、よくご存じだと思います。あの点滴の速さをイメージして「少しずつ与える」これがうまくやる秘訣です。しかし、いくら上手にやっても、嘔吐がおさまらない時もあります。そのような時は、点滴が必要かも知れませんので、早めに医療機関を受診して下さい。
|ホームケアーABCにもどる|小児科の部屋にもどる|ホームページにもどる|