けいれん(ひきつけ)

はじめてひきつけを経験したおかあさんはびっくりしてあわててしまって、当然です。他の症状に比べて遭遇する頻度は少ないかも知れませんが、突然出会っても冷静に対処できるように、この機会に対処法を覚えておいて下さい。  (もどる)


けいれん(ひきつけ)って:一時的に呼吸が止まり、白目をむいて、体をこわばらせ、意識を失う状態です。原因としては、熱を出したときに起こる熱性けいれんがほとんどですが、他の原因としては、てんかん、髄膜炎、頭部外傷などがあげられます。ここでは、頻度の高い熱性けいれんに的を絞って解説します。
熱性けいれんって:生後6カ月から5歳までにみられ、頻度は5歳以下の小児人口の7〜8%、およそ39度の発熱で、中枢神経系の感染によらないものをいいます。主な特徴は、通常急激な熱上昇に伴う、けいれんは10分以内、発熱後12時間以上たってからみられることはほとんどない、ふつう1回の体温上昇に1回だけなどです。再発率は30〜50%で、約1/3は2回以上くりかえすと言われています。
ひきつけたときにどうするか
 1)あわてない:まず大切なのは、あわてないことです。ひきつけは通常、数分以内で止まり、命にかかわることや後遺症を残すことははまずありませんので、冷静に対処して下さい。
 2)何もしない:舌をかむことはまずありませんから、口の中に指や箸、タオルなどを入れたりしないで下さい。かえって危険です。また、大声で名前を呼んだり、体を揺すったりするのもいけません。刺激を与えることでけいれんが遷延したり誘発される場合があります。吐くとあぶないので、体を横にねかせ、衣服をゆるめて、楽な姿勢にしてあげましょう。
 3)じっと見る:あとで病院(医院)で、ドクターにけいれんの様子をきちんと説明できるように、よく観察して下さい。時計をみて、何分続いているかを確認する事も大切です。観察のポイントは、顔色・目の動き・手足のつっぱり方・ひきつけていた時間などです。けいれんが10分以上続く時や短時間にひきつけを繰り返すときは、救急車を呼んで、救急指定病院を受診して下さい(なにか別の病気が隠れている可能性が否定できません)
ひきつけがおさまったあとにすること
 1)何度くらいの熱があったかを確認することは、診断や今後のためにも大切なことです。必ず体温計を使っておちついてきちんとはかって下さい。「何度かわかりませんが、かなり熱かったです」や「途中までははかったんですが」では、役に立ちません。熱性けいれんだったかどうかは、予防接種のスケジュールなど今後の対策にも大きな影響をもちます。
 2)ひきつけをおこしたら、その原因を調べてもらうことが大切です。救急車をよぶ必要はありませんから、その日のうちに医療機関を受診しましょう。深夜でしたら、症状にもよりますが、おちついている場合は、翌朝でかまいません。
 3)症状がおちついている場合は、熱さましの座薬などは使わないで医療機関を受診してください。熱さましを使ってもおきてしまった熱性けいれんの治療にはなんの役にもたちません。
家庭で気をつけること:とにかく、あわてず、冷静に対応することです。一度おこしたことがある場合は予防対策などを、かかりつけの先生によく相談しておくことが大切です。はじめての場合は、しかたありませんが、二度目以降は備えあれば憂いなしです。具体的な対策は各医療機関によって多少違いますが、当院では通常約1年をメドに、ダイアップというお薬を発熱時に使う様にしています。 

 |ホームケアーABCにもどる小児科の部屋にもどるホームページにもどる