頭部外傷

頭部外傷とは:高いところから落ちたり、上の子に登られたりして頭に外傷が加わった結果、重症では頭蓋骨骨折の心配があります。そのほか、頭蓋内に出血がおこり、そのために脳が圧迫されるという状態が急性硬膜外血腫、急性・慢性硬膜下血腫です。

どんなことに気をつけるか:頭を打ったあと、すぐに泣き意識もしっかりしているときは、ひとまず安心。その後、次のような点に気をつけて様子を見て下さい。

  1. 打った場所の骨に異常がないか。骨がぺこぺこしているようなときは、骨折している疑いがあります。
  2. 意識はしっかりしているか。意識のチェックはとても大切です。寝ているかどうか区別がつかないときは、起こしてみる必要があります。泣いたり・動いたりしないとき、名前を呼んでもぼーっとして反応しないとき、刺激をすると目を開けるがすぐまたうとうとするとき、焦点がさだまらずうつろな目をしているときなどは、いそいで医療機関(CTのとれる病院・脳外科のある病院)を受診してください。
  3. 吐いていないか。激しく泣いた為に吐いた様な場合は別として、顔色が悪く繰り返し吐くような場合は、危険なサインです。
  4. 手足の動きにおかしいところはないか。手足のどこかが動かないとき、ピクピクとけいれんするとき、動かすと痛がるときもいそいで病院を受診してください。
  5. 左右の瞳孔(ひとみ)の大きさに差がないか。瞳の大きさが左右で違う場合は、すでに上記の異常のいずれかを伴っていることが普通で、一刻をあらそう状態です。脳幹部という呼吸や循環に関係する大切な部分が圧迫されていることが予想されます。何をさしおいても、大至急救急指定病院を受診して下さい。

ポイント:頭を打ったあとは、上に書いてあるような点に注意をして、48時間は慎重な観察を怠らない事が大切です。さらに、静脈性の出血(慢性硬膜下血腫)の場合は、だいぶ時間が経ってから症状が現れることがありますので、1週間から1カ月くらいは油断してはいけません。普段様子をみてくれている人みんなに事情を説明して注意してもらって下さい。


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