血管性紫班病

血管性紫班病:血管性紫班病は、アレルギー性紫斑病、シェーンライン・ヘノッホ紫班病(Schonlein−Henoch purpura)、アナフィラクトイド紫班病など色々な呼び方があります。好発年齢は、3〜11歳(特に2〜8歳)で、男児は女児の約2倍。誘因として先行する上気道感染(溶連菌など)や食物アレルギー、虫刺され、薬剤などがあげられ、免疫機序に基づく血管炎と考えられていますが、はっきりした病因はまだ不明です。

症状:紫斑、関節痛、腹痛が三大症状です。

診断:臨床症状から診断は容易ですが、腹痛や関節痛が先に出現するケースではなかなか診断がつかない事もあります。

治療:安静が必要なので、通常入院治療となります。三大症状に対しては対症的な治療を行います。腹痛が強いときには点滴管理が必要になることもあります。β溶連菌感染がある場合(疑いも含め)には、抗生物質の投与を行います。腎炎の合併がみられた場合にはその治療を行います。症状が完全に消失したのち、数週間から数ヶ月してから再燃したり、腎合併症が明らかになることもありますので、しばらくは定期的な観察が必要です。

予後:年長になるほど急性期の期間が長く、再発や合併症の頻度が多くなりますが、腎炎の合併がなければ、数ヶ月の経過で良くなります。

紫班病とは:皮膚の下で出血することを皮下出血と言います。厳密には、出血の結果できた皮膚の変化で直径2mm以下のものは点状出血、2〜5mmのものは紫斑、それ以上のものは斑状出血と区別しておりますが、これら全体をまとめて紫斑と呼ぶ事も多く、紫斑ができる病気を紫班病と呼びます。紫班病には、単純性紫班病、血管性紫班病、血小板減少性紫班病などの種類があります。

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