2 改正内容
@学校において予防すべき伝染病の種類及び出席停止の期間の基準の改正
ア 学校において予防すべき伝染病の種類の変更(改正後の学校保健法施行規則(以下「新規則」という。)第19条)
- 類(第一類〜第三類)を種:(第一種〜第三種)に変更した。
- 感染症予防法の趣旨を踏まえて、従来、法定伝染病が対象であった第一類を感染症予防法(第6条に規定される)一類感染症及び二類感染症とするなど伝染病の種類を整理した。
イ 改正後の出席停止の期間の基準(新規則第20条)(U学校において予防すべき感染症以降の解説を参照)
○第一種 治癒するまで ○第二種(結核を除く。) 伝染病ごとに定めた出席停止の期間の基準のとおり。ただし、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときはこの限りではない。 ○結核及び第三種 病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまで。
A伝染病の予防に関する細目の削除(改正前の学校保健法施行規則第22条第3項の削除)
- 現在の学校における伝染病の予防の状況を踏まえて、伝染病の予防に関する細目のうち、患者の使用する座席等の消毒等の予防措置を削除した。
B施行期日(学校保健法施行規則の一部を改正する省令附則)
- 学校における伝染病の予防に係る改正規定は、平成11年4月1日から施行することとした。
C学校において予防すべき伝染病の種別の考え方(表は一部改変してあります)
改 正 前 変化 改 正 後 第
一
類コレラ → コレラ 「感染症の予防及び感染症の
患者に対する医療に関する法律
」(平成10年法律第114号)第
6条に規定する一類感染症及び
二類感染症とする。第
一
種赤痢 → 細菌性赤痢 腸チフス → 腸チフス パラチフス → パラチフス 痘瘡 削除 ○ 発疹チフス その他へ ○ 猩紅熱 その他へ ○ ジフテリア → ジフテリア 流行性脳脊髄膜炎 その他へ ○ ペスト → ペスト 日本脳炎 その他へ ○ ○ 新 エボラ出血熱 新 クリミア・コンゴ出血熱 新 マールブルグ病 新 ラッサ熱 第二類から 急性灰白髄炎 第
二
類インフルエンザ → インフルエンザ 飛沫感染するもので、児童生徒
などの罹患が多く、学校において
流行を広げる可能性が高い伝染
病とする。第
二
種百日咳 → 百日咳 麻疹 → 麻疹 急性灰白髄炎 第一種へ ○ ウイルス性肝炎 その他へ ○ 流行性耳下腺炎 → 流行性耳下腺炎 風疹 → 風疹 水痘 → 水痘 咽頭結膜熱 → 咽頭結膜熱 ○ 第三類から 結核 第
三
類結核 第二種へ ○ 学校教育活動を通じ、学校にお
いて流行を広げる可能性がある伝
染病とする。第
三
種流行性角結膜炎 → 流行性角結膜炎 急性出血性結膜炎 → 急性出血性結膜炎 その他の伝染病 → その他の伝染病 ○ 新 腸管出血性大腸菌感染症
D学校保健法施行規則の一部を改正する省令新旧対照表
学校保健法施行規則(昭和33年文部省令第18号)抄
(傍線の部分は改正部分)
改 正 前 改 正 後 (伝染病の種類)
第19条学校において予防すべき伝染病の種類は、次のと
おりとする。
一 第一類 コレラ、赤痢(疫痢を含む。)、腸チフス、
パラチフス、痘瘡、発疹チフス、猩紅熱、
ジフテリア、流行性脳脊髄膜炎、ペスト
及び日本脳炎
二 第二類 インフルエンザ、百日咳、麻疹、急性灰白
髄炎、ウイルス性肝炎、流行性耳下腺炎、
風疹、水痘及び咽頭結膜熱
三 第三類 結核、流行性角結膜炎、急性出血性結膜
炎、その他の伝染病
(出席停止の期間の基準)
第20条令第5条第2項の出席停止の期間の基準は、前
条の伝染病の種類に従い、次のとおりとする。
(新設)
一 第二類の伝染病にかかった者については、次の期間。
ただし、病状により学校医その他の医師においてその伝
病の予防上支障がないと認めたときは、この限りでは
ない。
イ インフルエンザにあっては、解熱した後2日を経過す
るまで。
口 百日咳にあっては、特有の咳が消失するまで。
ハ 麻疹にあっては、解熱した後3日を経過するまで。
二 急性灰白髄炎にあっては、急性期の主要症状が消
退するまで。
ホ ウイルス性肝炎にあって主要症状が消退するまで。
へ 流行性耳下腺炎にあっては、耳下腺の腫脹が消失
するまで。
ト 風疹にあっては、発疹が消失するまで。
チ 水痘にあっては、すべての発疹が痂皮化するまで。
リ 咽頭結膜熱にあっては、主要症状が消退した後2日
を経過するまで。
二 第三類の伝染病にかかった者については、治癒する
まで。ただし、学校医その他の医師において適当と認め
る予防措置をしたとき又は病状により伝染のおそれがな
いと認めたときは、この限りではない。
三 第一類若くは第二類の伝染病患者のある家に居住
する者又はこれらの伝染病にかかっておる疑がある者に
ついては、予防処置の施行の状況その他の事情により
学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認
めるまで。
四 第一類又は第二類の伝染病が発生した地域から通
学する者については、その発生状況により必要と認めた
とき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
五 第一類又は第二類の伝染病の流行地を旅行した者
については、その状況により必要と認めたとき、学校医
の意見を聞いて適当と認める期間。
(伝染病の予防に関する細目)
第22条 (略)
2 (略)
3 校長は、第20条第二号ただし書の規定に該当して
出席する児童、生徒、学生又は幼児がある場合におい
て、学校医の意見を聞いて必要と認めるときは、次の
各号に準拠して適当な予防措置をするものとする。
一 患者の座席を、その他の者の座席と隔てること。
二 患者の使用する器具、書籍を、専用とすること。
三 患者の使用する座席、器具、書籍等を、ときどき消毒
すること。
四 患者の使用した衣類、器具、書籍その他の物を他人
に与え、又は使用させるときは、これを消毒すること。
4 学校においては、その附近において第一類又は第二
類の伝染病が発生したときは、その状況により適当な
清潔方法を行うものとする。(伝染病の種類)
第19条学校において予防すべき伝染病の種類は、次のと
おりとする。
一 第一種 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、
ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱、急
性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、ジ
フテリア、腸チフス及びパラチフス
二 第二種 インフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性
耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜熱及び
結核
三 第三種 腸管出血性大腸菌感染症、流行性角結膜
炎、急性出血性結膜炎、その他の伝染病
(出席停止の期間の基準)
第20条令第5条第2項の出席停上の期間の基準は、前
条の伝染病の種類に従い、次のとおりとする。
一 第一種の伝染病にかかった者については、治癒する
まで。
二 第二種の伝染病(結核を除く。)にかかった者について
は、次の期間。ただし、病状により学校医その他の医
師において伝染のおそれがないと認めたときは、この限
りではない。
イ インフルエンザにあっては、解熱した後2日を経過す
るまで。
口 百日咳にあっては、特有の咳が消失するまで。
ハ 麻疹にあっては、解熱した後3日を経過するまで。
二 流行性耳下腺炎にあっては、耳下腺の腫脹が消失
するまで。
ホ 風疹にあっては、発疹が消失するまで。
へ 水痘にあっては、すべての発疹が痂皮化するまで。
ト 咽頭結膜熱にあっては、主要症状が消退した後2日
を経過するまで。
三 結核及び第三種の伝染病にかかった者については、
病状により学校医その他の医師において伝染のおそ
れがないと認めるまで。
四 第一種若くは第二種の伝染病患者のある家に居住
する者又はこれらの伝染病にかかっておる疑がある者に
ついては、予防処置の施行の状況その他の事情により
学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認
めるまで。
五 第一種又は第二種の伝染病が発生した地域から通
学する者については、その発生状況により必要と認めた
とき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
六 第一種又は第二種の伝染病の流行地を旅行した者
については、その状況により必要と認めたとき、学校医
の意見を聞いて適当と認める期間。
(伝染病の予防に関する細目)
第22条 (略)
2 (略)
(削除)
3 学校においては、その附近において第一種又は第二
種の伝染病が発生したときは、その状況により適当な清
潔方法を行うものとする。
E学校保健法施行規則の一部を改正する省令の施行について
平成10年12月21日文体学第168号
各国公私立大学長、各国公私立高等専
門学校長、国立久里浜養護学校長、各
都道府県知事、各都道府県教育委員会
教育長あて文部省体育局長通知
このたび、別添のとおり、「学校保健法施行規則の一部を改正する省令」(平成10年文部省令第46号)が平成10年12月21日に公布され、職員の健康診断に係る改正規定は平成11年1月1日から、伝染病の予防に係る改正規定は平成11年4月1日から施行されることとなりました。
今回の改正の趣旨、概要及び留意事項については下記のとおりですので、十分にご了知の上、学校における職員の健康診断及び伝染病の予防について適正な実施を図られるようお願いします。
また、各都道府県教育委員会におかれては域内の市町村教育委員会等に対し、各部道府県知事におかれては所轄の学校法人等に対して本件につき周知されるようお願いします。
記
T改正の趣旨
今回の改正は、労働安全衛生規則の一部が改正(平成10年6月24日公布、平成11年1月1日施行)され、脳・心臓疾患に関連して必要な項目を一般健康診断に加えるとともに、医師の判断による検査の弾力化が図られることとなったこと、及び総合的な感染症予防対策の推進を図るために、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年10月2日公布、平成11年4月1日施行)が制定され、感染症の類型に応じて入院等の措置が講じられることとなったことを踏まえ、学校においても、職員の健康診断及び伝染病の予防に係る所要の措置の見直しを行うものであること。
U改正の概要
1職員の健康診断について
(略)
2伝染病の予防について
(1)伝染病の種類について
学校において予防すべき伝染病の種類については、最近の保健医療及び児童生徒の伝染病の罹患の実態に応じ、「第一種」の伝染病を、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号)第6条に規定する「一類感染症」及び「二類感染症」とし、「第二種」の伝染病を、伝染病のうち飛沫感染するもので児童生徒の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高いものとし、「第三種」の伝染病を、伝染病のうち学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性があるものとしたこと。(新規則第19条関係)
(2)出席停止の期間の基準について
@第一種の伝染病にかかった者については、治癒するまでとしたこと。(新規則第20条第1号関係)
A第二種の伝染病(結核を除く。)にかかった者については、それぞれの伝染病ごとに定めた出席停止の期間であるが、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときは、この限りではないとしたこと。(新規則第20条第2号関係)
B結核及び第三種の伝染病にかかった者については、病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めるまでとしたこと。(旧規則第20条第3号のただし書の削除及び新規則第20条第3号関係)
(3)伝染病の予防に関する細目について
患者の使用する座席等の消毒等の予防措置を削除したこと。(旧規則第22条第3項の削除関係)
3施行期日について
新規則は、平成11年4月1日から施行すること。ただし、第10条及び第11条並びに第4号様式の規定は、平成11年1月1日から施行すること。(学校保健法施行規則の一部を改正する省令附則関係)
V留意事項
1学校における伝染病の予防の実施に当たっては、それに係る処置によって差別や偏見が生じることのないよう十分に配慮する必要があること。
2学校における伝染病の予防の適切な実施の確保を図るため、「学校で予防すべき伝染病等に関する解説書(仮称)」を作成することとしており、追って送付すること。